多様性社会におけるコミュニケーション能力

人によって考え方が異なることは悪いことではない。コミュニケーションの前段階は、自分と異なる考え方の人がいることを自覚することから始まる。他者の話に耳を傾けるとその人の自分とは異なる賢さに気が付く。他者の考えは自分では気づかなかったこと考え…

横尾忠則 対談「3人が集まった日。」ほぼ日刊イトイ新聞

もともと人間は完成して生まれてきてないじゃない? 未完で生まれてきている。 だから何かを完成させる必要はないと思うんです。 未完で生きて未完でものを作って、 未完で死ねばいいんじゃないかな。 横尾、細野、糸井、3人が集まった日。 - ほぼ日刊イト…

『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル みすず書房

ここで必要なのは、生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることから何を期待するかではなく、むしろひたすら、生きることが私たちから何を期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えなけれ…

『こどものための哲学対話』 永井均 講談社

ちゃんとした人っていうのは、自分の未来のために自分の現在を犠牲にできる人のことなんだ。逆に自分の現在のために自分の未来を犠牲にしちゃうのがどうしようもないやつさ。(中略)善人や悪人になれるのは、ちゃんとした人だけなんだよ。どうしようもない…

『マネジメント(エッセンシャル版)』 P.F.ドラッカー ダイヤモン

技術系の人は、「うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる」というマーフィの法則を口にする。だが事態が複雑な場合には、さらに第二の法則、ドラッカーの法則と呼ぶべきものが働く。すなわち「何かがうまくいかなくなると、すべてがうま…

『マネジメント エッセンシャル版』 P.F.ドラッカー ダイヤモンド

仕事の生産性を上げるうえで必要とされるものと、人が生き生きと働くうえで必要とされるものは違う。(P57) 未来学者がユートピアとして描く労働のない社会は本当に実現するかもしれない。しかしそのとき、人は人格の危機に直面する。労働の必要がなくなる…

『永遠の子ども』 フィリップ・フォレスト 集英社

死亡通知上の上で、ガンはコード化され婉曲に表現される。死者は「長く残酷な病」で亡くなられた。(中略)通知状を書くのは生き残ったものである。彼らには病気は、ときに長すぎ、果てしなく思える。彼らが選ぶ形容詞が彼らの焦燥感、これを早く終わらせた…

『ドラッカー365の金言』 P.F.ドラッカー ダイヤモンド社

未来学者は、自ら予測したことがどれほど実現したかで的中率を測る。予測しなかったもののうち、重要なものがどれほど現実となったかは数えない。予測したものすべてが実現することもある。だが、彼らは最も重要なことを予測せず、困ったことにはそれらに関…

『ネクスト・ソサエティ』 P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 ?

したがって、彼ら知識労働者は自らを彼らのサービスを利用する組織と同格の存在と自認する。知識社会とは非階層の社会であって、上司と部下の社会ではない。(P22) 知識に上下はない。あるのは状況への関連の有無しかない。知識労働者にとっても他のあらゆる…

『ネクスト・ソサエティ』 P.F.ドラッカー ダイヤモンド社

産業革命は家族にも大きなインパクトを与えた。それまでは家族が生産単位だった。農家の畑や職人の作業場では、夫、妻、子供が一緒に働いていた。ところが人類史上初めて、工場は働く者と仕事を家から引き離し、職場へ移した。家には工場労働者の配偶者が残…

『母なる夜』カート・ヴォネガット 白水ブックス

「人間は気狂いだということさ。」と彼は言った。 「人間はいつでもひどいことをやるつもりでいて、神はそういうやつが理由を見つけるのに手を貸しているんだ。」 (P128) 「答えられた問い」 男たちは女たちに何を求めるのか? 欲望を満たされたときの顔つき…

『ねこのゆりかご』 カート・ヴォネガット・ジュニア ハヤカワ文庫

ちかぢか、すばらしいこびとの娘と結婚する予定です。目を開いて見さえすれば、世の中にはみんなに行きわたるだけのアイはたっぷりあるのですね。ぼくがその証拠です。(P33) 「この世界が不幸なのは」彼女はためらいがちに続けた。「人々がいまだに迷信にこ…

『13日間で「名文」を書けるようになる方法』 高橋源一郎 朝日新

<若い読者へのアドバイス (これは、ずっと自分自身に言い聞かせているアドバイスでもある)人の生き方はその人の心の傾注がいかに形成され、また歪められてきたかの軌跡です。注意力の形成は教育の、また文化そのもののまごうかたきあらわれです。人はつね…

『「20円」で世界をつなぐ仕事』 小暮真久 日本能率協会マネジメン

僕は前職が戦略コンサルタントだったので、どうしてもフレームワーク的にものごとを考えるクセができています。ここでも「5P」というフレームワークで整理し、それをもとにしくみをつくることにしました。 1.purpose テーブル・フォー・ツーのミッションは…

『ティファニーで朝食を』 トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 新

退屈な結論だけど、要するに『あなたが好きことをしているときにだけ、あなたに善きことが起こる』ってことなのよ。いや善きことというより、むしろ正直なことっていうべきかな。規律をしっかり守りましょう、みたいな正直さのことじゃないのよ。もしそれで…

『人生の旅をゆく』 よしもとばなな 幻冬舎文庫

1旅は、その旅がいくらひどくても、その思い出はすばらしいものになる。 何か過剰に精神的な期待をしている感じ、それが採っても嫌いなのだ。(P22) たぶん、彼女にとってはかけたい時が電話をするときで、会いたい時が会うときで、心配な時心配するとき、好…

『チエちゃんと私』 よしもとばなな 文春文庫

だから、私はある時点からまじめに何がしたいかを考え、何ができないかだけを考えた。いたずらに成り行きにまかせてだらだら生きるほどには、非現実的ではなかった。私のしていることは瞬間を読んでは考えを変えていくゲームであり、私にとってはそれが人生…

『恋愛について話しました』 岡本敏子×よしもとばなな イーストプ

山登りにいったりいろいろした。でお、おもしろいのよ。テントを張るでしょう。私なんてかなり男っぽいほうなんだけど、一晩テントを張って、そこでご飯とか作ったりして寝ると、なんとなくコンフォータブルな生活に愛着ができちゃって、それで次の日の朝、…

『人生って?』 よしもとばなな 幻冬舎

私は、その人にとっての優しさを定義するのは「育ち」だと思います。親のしたように、自分の環境でそうであったように。もしくは親がしてくれなかったこと、自分の環境になかったもの。…をひとが「優しさ」と判断するのであって、まさに人それぞれです。たと…

『はじめての文学 よしもとばなな』 よしもとばなな 文藝春秋 

「私は、あったかいもののほうを大切にする。ちゃんとこういうからくりを見破ることができる男の人を捜そう、絶対にいるはずだから。」(P184 ともちゃんの幸せ) こういう基準って大切です。 このはじめての文学シリーズっていろいろな作家のがあるんですね。…

『フォーサイト 12月号 「人間学としての経済学 第5回」』 堂

「自然は人類を苦痛と快楽という二人の主人の支配のもとにおいてきた。われわれが何をしなければならないかを指示し、また、われわれが何をするであろうかを決定するのは、ただ苦痛と快楽だけである。」(ベンサム『道徳及び立法の諸原理序説』一七八九) 僕…

『「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法』 茂木健一郎 講談社文庫

「赤毛のアン」は、人生においてもっとも重要なことが書かれている本だ、と思っていたので購入してみました。 そういう言い方でいいのかな?という部分もありましたが、共感できる内容がとても多かったです。 明らかに何かが、日本とは決定的に違う。社会が…

『はじめてのことがいっぱい』 よしもとばなな 新潮文庫

作家としては天職なのである程度のところまでいけるが、他のお仕事をしたら私のポジションは会社でもフラでもカフェのウェイトレスでも「実力は中の下、体が弱すぎて戦力外だがムードメーカーとしては上級である。」というところだと冷静に判断できる。作家…

『The Goal 』 エリヤフ・ゴールドラット 三本木亮訳 ダイヤモン

指標は、三つあって、それぞれ『スループット』『在庫』『作業経費』と呼ぶことにした。(中略)『スループット』とは、販売を通じてお金を作り出す割合のことだ。『在庫』とは、販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金のことだ。『作業…

『自虐の詩 上・下』 業田良家 竹書房文庫

おかあちゃん、これからは何が起きても怖くありません。勇気がわいてきます。この人生を二度と幸や不幸ではかりません。なんということでしょう。人生には意味があるだけです。ただ人生の厳粛な意味をかみしめていけばいい。勇気がわいてきます。(下巻P267…

『THE CHOICE』 エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社

人はもちろんのこと、人が作り出すものすべてを含んでいる。ものごとは収束する、ものごとはシンプルだと言ったが、これは、この現実世界すべてに当てはまることなんだ。現実というのは、すばらしいまでのシンプルさの上に成り立っているんだよ。(P63) 「人…

『恋について僕が話そう』 秋元康 大和書房

ダイヤモンドの指輪をはめることも自己満足かもしれないけど、お茶を飲んで茶柱が立っているのを見つけることをも自己満足かもしれない。(P128) 著者は、自己満足がいくつあったかということが、人間の一生を楽しく送れたかということにつながると書いてい…

『1Q84 BOOK2』  村上春樹 新潮社

「ただね、そいつが脇目もふらずネズミを木の塊の中から『取り出している』光景は、おれの頭の中にまだとても鮮やかに残っていて、それは俺にとっての大事な風景の一つになっている。それは俺に何かを教えてくれる。あるいは何かを教えようとしてくれる。人…

『1Q84 BOOK2』  村上春樹 新潮社

世界とは、「悲惨であること」と「喜びが欠如していること」との間のどこかに位置を定め、それぞれの形状を帯びていく小世界の、限りない集積によってなり立っているのだという事実を、窓の外のその風景は示唆していた。 しかしその一方で、世界にはふかえり…

『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ 新潮文庫 3

誰がより多くのひどい苦しみを受けるか。先生が生徒から苦しめられるのか。両者のいずれがより多く暴君であるか。両者のいずれがより多く苦しめ手であるか。他方の心と生活とを損ない汚すのは、両者のいずれであるか。それを検討すれば、誰しも苦い気持ちに…