『ネクスト・ソサエティ』 P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 ?

したがって、彼ら知識労働者は自らを彼らのサービスを利用する組織と同格の存在と自認する。知識社会とは非階層の社会であって、上司と部下の社会ではない。(P22)

知識に上下はない。あるのは状況への関連の有無しかない。知識労働者にとっても他のあらゆる人間と同様金は重要である。しかし、彼らは金を絶対的な価値とはしない。自らの正解は自己実現の代替とは認めない。仕事が生計の資だった肉体労働者と違い、知識労働者にとって仕事は生きがいである。(P26)

知識社会特有の上方への移動は高い代償を伴う。それは競争にともなう心理的な圧力と精神的なストレスである。敗者がいるからこそ勝者がいる。昔の社会はそうではなかった。(中略)したがって知識労働者たるものは、若いうちに非競争的な生活とコミュニティを作り上げておかねばならない。コミュニティでのボランティア活動、地元のオーケストラへの参加、小さな町での公職など、仕事以外の関心ごとを育てておく必要がある。(P29)

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる