2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『1Q84 BOOK2』  村上春樹 新潮社

「ただね、そいつが脇目もふらずネズミを木の塊の中から『取り出している』光景は、おれの頭の中にまだとても鮮やかに残っていて、それは俺にとっての大事な風景の一つになっている。それは俺に何かを教えてくれる。あるいは何かを教えようとしてくれる。人…

『1Q84 BOOK2』  村上春樹 新潮社

世界とは、「悲惨であること」と「喜びが欠如していること」との間のどこかに位置を定め、それぞれの形状を帯びていく小世界の、限りない集積によってなり立っているのだという事実を、窓の外のその風景は示唆していた。 しかしその一方で、世界にはふかえり…