2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『彼女について』 よしもとばなな 文芸春秋 3

この世は生きるに値すると思う力よ。抱きしめられたこと、かわいがられたこと。それからいろいろな天気の日のいろいろな良い思い出を持っていること。おいしいものを食べさせてもらったこと、思いついたことを話して喜ばれたこと、疑うことなく誰かの子供で…

『彼女について』 よしもとばなな 文芸春秋 2

そうか、ピクニックそのものよりも、そのイメージで人は活気づくんですね。イメージがすべてなんだ。でもイメージ以上のものを知るには、今の瞬間にぐっと参加することしかないんだ。(P213) 参加すること、つまり、コミットすることだと思うんですが、コミ…

『彼女について』 よしもとばなな 文芸春秋

かごの中にはお菓子がいくつかとオリーブとワイン。まるで普通のカップルの買い出しみたいだった。この時間こそが積み重なって人生を作る血や肉となり、抽象的にも一番大事なものなのだと、私にはわかってきていた。(P180) 恋人との買い物だけでなく、家族と…