2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『はたらきたい。』 ほぼ日就職論 東京糸井重里事務所 3

糸井「きっと、今の時代の人たちって、自分のルールや法律がひとつで済んでる人っていないと思うんですよね。自分の中に二つのルールを抱えていて、何とかバランスをとっていかなくちゃならない。」(中略)しりあがり寿「うん。大事なことが二つあるんでし…

『はたらきたい。』 ほぼ日就職論 東京糸井重里事務所 2

いろんな生き方があっていいよ。自分の時間を大事にするのもわかるよ。わかるけど、将来結婚するかもしれないでしょ。子供ができるかもしれないでしょ。子供ができたら、金かかるよ。それでも、そのスタンスを変えないんだったら、それも立派なひとつの生き…

『はたらきたい。』 ほぼ日就職論 東京糸井重里事務所 1

自分にとって、本当に大事なことって何だろう。自分にとって、本当に大切な人って誰だろう。このふたつを、本気で思っているだけで、いい人生が送れるような気がする。糸井重里 P263 「何が君の幸せ、何をして喜ぶ。わからないまま終わる。そんなのはいやだ。…

『のび太の結婚前夜』 藤子・F・不二雄

「のび太君を選んだ君の判断は正しかったと思うよ。あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね」 のび太との結婚式の前夜、残していく父と母を心配したしずかちゃんに向け、しずかち…

『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子 講談社出版 1

先生はトットちゃんに言った。「トットちゃん、そのリボン、ミヨがうるさいから、学校に来るとき、つけないで来てくれると、ありがたいんだけどな。悪いかい、こんなことたのんじゃ」トットちゃんは、腕を組んで、立ったまま、考えた。そして、わりと、すぐ…

『フラニーとゾーイー』 J.D.サリンジャー 新潮文庫 5

シーモアは、とにかく(靴を)磨いて行けって言うんだな。『太っちょのオバサマ』のために磨いて行けって言うんだよ。(中略)それから、よく聴いてくれよ、この『太っちょのオバサマ』というのは本当は誰なのか、そいつが君にわからんだろうか?…ああ、きみ…

『フラニーとゾーイー』 J.D.サリンジャー 新潮文庫 4

信仰生活でたった一つ大事なのは『離れていること』だということが飲み込めなくては、一インチたりとも動くことができないんじゃないか。『離れていること』だよ、きみ、『離れていること』だけなんだ。欲望を断つこと。『一切の渇望からの離脱』だよ。本当…

『フラニーとゾーイー』 J.D.サリンジャー 新潮文庫 3

神にささげられた一杯のチキン・スープが鼻先におかれてもそれと気づかないというのに、本物の信心家を一体どうやって識別するつもりなんだ?(P224) 母の味とその想い。見た目と味はともあれ、一番安心します。フラニーとゾーイー (新潮文庫)作者: サリン…

『フラニーとゾーイー』 J.D.サリンジャー 新潮文庫 2

きみは事実にまっこうから立ち向かうということをしない。最初に君を心の混乱に陥れたのもやはり、事実にまっこうから立ち向かわないという、この態度だったんだ。そんな態度では、そこから抜け出すこともおそらくできない相談だぜ。(P194) 『イエスの祈り…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫8

歌人達は、歌の独立的価値を知らぬどころではない、むしろ知り過ぎて孤立している。技芸の一流と化して社会から孤立し、仲間同士の遊びを楽しみ、社会の常識も歌の事は知らぬすましている、悲しい哉と考えるのである。彼(本居宣長)の歌の道とは、歌をこの…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫7

個人主義の時代は去ったという。そうかも知れない。個人主義の思想の欠陥をつく考え方は、いくらでもできよう。だが誰も実際の生活の上で、個人という或る統一体の形でしか生きようがないという基本の事実には歯が立つわけがない。個人主義の問題と個人の問…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫6

良心とは、はっきりと命令もしないし、強制もしまい。本居宣長が、見破っていたように、おそらく、良心とは、理知ではなく情なのである。彼は、人生を考えるただ一つの確実な手掛かりとして、内的に経験される人間の「実情」というものを選んだのだ。(中略…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫5

道徳の客観的原理などに誰が歯向えよう。みんな屈従するより他はない。ひとつの原理に反抗することができるのも、別の原理に屈従すればこそだ。道徳が、外部から来る権威の異名なら、道徳は破壊か屈従かの道を選ぶほかあるまい。手間を省いて考えれば、道徳…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫4

考えるとは、合理的に考えることだ。どうしてそんな馬鹿気た事が言いたいかというと、現代の合理主義的風潮に乗じて、物を考える人々の考え方を観察していると、どうやら能率的に考えることが、合理的に考えることだと思い違いしているように思えるからだ。…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫3

人を笑うのだけが笑いではない。子供ならみんな知っている。生きるのが楽しい絶対的な笑いもある。いよいよ増大する批評的笑いの不安と痙攣の中で、この笑いを、恢復しようとしたのがディズニーの創作であったと考えてもいいだろう。 ディズニーの作品は、大…