『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子 講談社出版 1

先生はトットちゃんに言った。「トットちゃん、そのリボン、ミヨがうるさいから、学校に来るとき、つけないで来てくれると、ありがたいんだけどな。悪いかい、こんなことたのんじゃ」

トットちゃんは、腕を組んで、立ったまま、考えた。そして、わりと、すぐ、いった。
「いいよ。明日から、つけて来ない。」

先生は言った。「そうかい。ありがとう」

トットちゃんは、少し残念だったけど、(校長先生がこまってるんだもの、いいや)と、すぐ決めたのだった。
(中略)トモエ学園では、こんな風に、年齢と関係なく、お互いの困難を、わかりあい、助けあうことが、いつのまにか、ふつうの事になっていた。(P228)

小学校1年の女の子が、自分の大好きなリボンを、ほかの人が困るからと、身につけることを潔くを諦めることができる。校長先生との信頼関係があるとはいえ、こういった判断をできる人ってどのくらいいるでしょうか。大人も含めて。この本の内容は、黒柳さんの小学校1,2年生のころの思い出が書かれています。幸せのメカニズム。すばらしい一冊ですね。




窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)

窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)