『マネジメント(エッセンシャル版)』 P.F.ドラッカー ダイヤモン
技術系の人は、「うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる」というマーフィの法則を口にする。だが事態が複雑な場合には、さらに第二の法則、ドラッカーの法則と呼ぶべきものが働く。すなわち「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまういかなくなる。しかも同時に」(P245)
いかに集中が望ましくとも、多角化との調和が必要である。さもなければ過度の専門家に陥る。同時に、いかに多角化が望ましくとも、あるいあは避けがたくとも注中が必要である。さもなければ分裂と分散に陥る。単純さと複雑さはともに必要である。単純さと複雑さは事業を反対方向にひく。この二つを対立させてはならない。調和させなければならない。共通の軸によって多角化を一体化することこと、トップマネジメントの仕事である。(P248)
分離に際して検討すべき問題は、「いくらで売りたいか」ではない。「誰にとって価値があるか」である。「娘の相手を探すときは誰が良い夫になるかを考えるな。誰の良い妻になるかを考えよ」とのことわざの通りである。(P253)
成長そのものを目標にすることは間違いである。大きくなること自体に価値はない。よい企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。(P260)
マネジメントに携わる者は、第一に、必要とされる成長の最小点について検討しておく必要がある。声明を維持していけるだけの地位は確保しなければならない。さもなければ限界的な存在となる。不適切な規模となる。市場が拡大しつつあるならば、組織もまたその生命力を維持するために成長していかなければならない。(P261)
イノベーションをイノベーションたらしめるものは、科学や技術そのものではない。経済や社会にもたらす変化である。消費者、生産者、市民、学生その他の人間行動にもたらす変化である。イノベーションが生み出すものは、単なる知識で半句、新たな価値、富、行動である。(P266)
イノベーションの尺度は外の世界への影響である。したがって、イノベーションは常に市場に焦点を合わせなければならない。市場ではなく製品に焦点を合わせたイノベーションは新奇な技術は生むかもしれないが、成果は失望すべきものとなる。(P267)
自分で仕事を進める時の行動指針になります。自分のやりたいことと、成果とのバランスをとる必要があるということでしょうか。
- 作者: ピーター・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/14
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