『はじめてのことがいっぱい』 よしもとばなな 新潮文庫

作家としては天職なのである程度のところまでいけるが、他のお仕事をしたら私のポジションは会社でもフラでもカフェのウェイトレスでも「実力は中の下、体が弱すぎて戦力外だがムードメーカーとしては上級である。」というところだと冷静に判断できる。作家としてかなり頑張っているから、他のこともできると思ったら大間違いだとよく知っている。
でも意外に、この冷静さを持ったメンタリティの人が少ない。自慢ではなくって。そして、成功しているといわれている人に会うと、世界のどの国でも例外なくそういう無駄のない人であると思う。人を恨まず羨まない人は、見つめあっただけでお互いにわかる。ということは、人を恨んだり羨む人はそういう人同士しか知りあわない。この感覚なくしてモテも成功も決してありえない。(P16)

自分の得手不得手を知り、何ができて何ができないかを把握する…。人を恨まず、うらやまない状態への因果関係が書かれているの箇所かと思ったのでメモしときます。

はじめてのことがいっぱい―yoshimotobanana.com2008 (新潮文庫)

はじめてのことがいっぱい―yoshimotobanana.com2008 (新潮文庫)