2008-01-01から1年間の記事一覧

『うさんくさいのススメ』 リリー・フランキー 爆笑問題のススメ

なんか、はっきりした一つのことに向かっていくことが正しいみたいなって風になってるけどそうは思わない。人間って一日の中でいろいろなことを思う。なるべくその全部思ってることを作品にしたい。 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~作者: リリー…

『夜中の薔薇』 向田邦子 講談社文庫 4

読書は、開く前も読んでいる最中もいい気持だが、私は読んでいる途中、あるいは読み終わってから、ぼんやりするのが好きだ。砂地に水がしみとおるように、体のなかになにかがひろがってゆくようで、「幸福」とはこれをいうのかと思うことがある。 人間には、…

『夜中の薔薇』 向田邦子 講談社文庫 3

紳士は、フランスパンを千切り、赤ワインにしたシテ、ゆっくりと食べはじめました。新聞をひろげ、窓から夜景を眺めながら、紳士は二切れ目のパンにかかります。運ばれてきたのは、舌平目のムニエルでした。紳士はゆっくりと食べ、皿に残したバタ・ソースを…

『夜中の薔薇』 向田邦子 講談社文庫 2

まず、気に入ったものを作り、食べ、それから遊び、それから面白い本を読み、残った時間をやりくりして仕事をするという人間なので、目方の増える割には、仕事のほうは大したことなく、人生の折り返し地点をとうに過ぎてしまっている。(P119)「食らわんか…

『最後の授業』 ランディ・パウシュ ランダムハウス講談社

僕が思う親の仕事とは、子供が人生を楽しめるように励まし、子供が自分の夢を追いかけるように駆り立てることだ。(中略)僕はいなくなるから、きちんと伝えておきたい。僕が君たちにどんな風になってほしかったかと、考える必要はないんだよ。君たちがなり…

『菜根譚』 洪自誠 岩波文庫 3

雪の積もった明月の夜には、心境も(その雪月の夜のように)、清らかに澄みとおるものである。また、のどかな春風に吹かれると、気持も自然に和らぎなごむものである。このように、自然と人間の心とは、少しの隙間もなく、全く一つである。(P323) 朝は少し…

『菜根譚』 洪自誠 岩波文庫 2

農夫たちが、いかにも気楽に過ごしているのを見て、(気苦労の絶えない我が身と比較して)、うらやましいと思わないでもなかろう。また、豪華なじゅうたんの上で暮らしている富豪も、ふと、竹簾の下で小ぎれいな机に向って読書している人が、いかにも悠然と…

『菜根譚』 洪自誠 岩波文庫

自分の功業に得意になり、自分の学問を見せびらかすのは、みな自分以外の外のものに頼って人間として生きているにすぎない。この人たちは知らないので、心の本体が玉のように輝くように明らかで、本来の光を失わなかったならば、たとえ少しの功業もなく、一…

『生きることと考えること』 森有正 講談社現代新書 4

私がそれに向かって自分の注意を集中し、それを自分なりにオーガナイズしようとしている、その当体を「もの」というのです。(P200)ただぼんやりと目の前にあるものがものでもないし、ぼんやり時間を過ごすことが経験でもないわけです。(P201)一番大事な…

『生きることと考えること』 森有正 講談社現代新書 3

たしかに一般の人たちは、賃金が上がる、あるいは生活が豊かになる、そういう外的なことを求めますから、やはり、日本の効率主義・能率主義・集団主義というようなものが、非常に重要な価値をもった、あるいは現代にふさわしいものとして追及されるでしょう…

『生きることと考えること』 森有正 講談社現代新書 2

明晰判明な認識を得て、それを自分の人生を豊かにするために使いたい。デカルトには、そういう考えがあった。(P94) 私は、自分が、考えるということを人生を豊かにするためにつかえているでしょうか?全然そうではありません。わたしの考えることの目的は…

黒柳徹子と国際貢献 

『ゲリラに足を切られた子供や、親を目の前で殺された子供より幸せだと思いなさい』とは言いたくはないですけど、クラスでいじめられている子がいたら、みんなでいじめないようにするとか、少しでも優しくしてあげられたらいいなと思います。日本は大変なと…

『MOTHER』 SEAMO BMGJAPAN

子供に先立たれるほど 辛いことなんて この世にはないのだから たった一秒でも あなたより長く生きる これだけは守る これだけは… ひさびさにいい歌詞だなと思いました。こういう風に、誰かが生きていることを前向きにとらえることができる人生はきっと幸せ…

『フューチャリスト宣言』 梅田望夫/茂木健一郎 ちくま新書 3

茂木:形而上学的にすぎる「あるべき論」を立てるのではなく、人間というのはこうふるまうものだと理解した上で、人間社会はおそらくこういう方向に向かうだろう、というある種のビジョンや見通しを立てる。(P41) 茂木氏はイギリスについて話されています…

『私塾のすすめ』 斉藤孝/梅田望夫 ちくま新書 3

斉藤:この世に用事なんてひとつもないよ。(笑) (中略) 梅田:「義理」とかそういうものを捨てる。これは一番大事ですよね。(P185) 私も生活の中で必要最低限にとどめ、幸せだと感じることに割ける時間を増やそうと心掛けています。 [rakuten:book:129…

『私塾のすすめ』 斉藤孝/梅田望夫 ちくま新書 2

梅田:わたしたちが普通に生きる上では、悪い手でなければ指してみればいい、最善でなくても今より少しでも良くなりそうだったらやればいい。僕は人生の選択に対してそういう感じを持っていますね。(P149) 個人生活だけでなく、集団生活においても、もう少…

『私塾のすすめ』 斉藤孝/梅田望夫 ちくま新書 1

斉藤:ある一定量をこなさないと、質的変化が起こらないということを信じて、量をこなすということを、まず最初の課題にしていく。(中略)大事なのは、「負けるということをおそれない」こと。競馬の武豊騎手が言っていましたが、彼は三千勝しているけれど…

『フューチャリスト宣言』 梅田望夫/茂木健一郎 ちくま新書 2

梅田:結局教育って、ポジティブなものを与えるということ以外に何の意味もない。(P93) 茂木:そういう無限の可能性を持ったメディアなのに、そこを創造的にあるいはポジティブに使わないのは僕の倫理観に反する。うまく言えませんが、そんな確信めいた想…

『フューチャリスト宣言』 梅田望夫/茂木健一郎 ちくま新書 1

茂木:人間の成長を分ける大きな分水嶺は、遇有性をどう受け入れられるかということだと思う。成長する能力のある人というのは自分にとって痛いこと、つらいこともきちんと受け入れて、それを乗り越えていける人だと思うです。(P143) 村上春樹の発言を引用…

『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫2

嫌いという感情は不毛である。侮蔑のいく道は袋小路だ。いつの間にか、そんな簡明なことになった。誤解してもらいたくはないが、これは私の告白で、主張ではない。いや、いつの間にか、主張するより告白することを好むようになった。(P36) 何かを嫌いだと…

『生きることと考えること』 森有正 講談社現代新書

ことばを本当に自分の言葉として使うということが、実はその人がほんとうに生きるということと一つになる。(P84) 一文を抜粋するだけでは、著者の思想の全容は見えないのですが、私なりに意訳すると、「ことば」は個人の経験(感じたこと)をラベリングし…

『夜中の薔薇』 向田邦子 講談社文庫

「箸置きも置かずに、せかせかと食事するのが嫌になったのよ」(『箸置』より) 生活の精神的な充実度に目を向けるというのは、勤勉な日本人の中では選択の優先度は高くないのではないでしょうか。実際、食事のときに箸置を使うかは別として、部屋がきれいに…

 「原油高 → 燃料コスト高 → 補てんすべし」

燃料費対策が漁業の実態に合うかどうかという話の前に、 私としては魚の値段が上がるというなら、別段対策をする必要 もなく、そのまま市場メカニズムを働かせて、 魚の値段を上げてしまえば良いと考えています。 というのは、漁業には流通改革をして改善で…

絶対投入時間と絶対投入量 

絶対投入時間、あるいは、絶対投入量という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ある一定の時間や量以上のインプットをして、初めて効果が出るという考え方です。例えば、テニスでひとつのテクニックを身につけるために、何回あるいは何時間練習を繰り返せば…

『ウェブ時代をゆく』 梅田望夫 文芸春秋 4

雑誌にも書かずに、本にだけ書く方がいいのではないかという発想は「希少性をコントロールする」ことで、情報の価値を高めよう。守ろうという考え方である。情報自身を公開してネットに預け、利子のように返ってくるアテンションを得る。その利子をインプッ…

『ウェブ時代をゆく』 梅田望夫 ちくま新書 3

ロールモデル思考法は、そんな私のやり方のエッセンスをまとめたものだが、これは行動が伴わなければ何の価値も生まない実学である。(p143) 学習するという行動も含めて、実行されなければ、頭で考えたことはほとんど益をなさず、むしろ害になることが多い…

『自助論』 サミュエル・スマイルズ 竹内均訳 三笠書房

「天は自ら助くる者を助く」(P11) 前向きに生きていく上で大切な姿勢ですね。うまくいかない理由をほかに求める(=あらを探す)のではなく、主体的に解決に努力しよう。完全に実現できるとは思いませんが、そのように考え、行動する時間の割合は増やしてい…

『ウェブ時代をゆく』 梅田望夫 ちくま新書 2

「生きるために水を飲むような読書」といえば一番近いだろうか。本を読みただ楽しむとか、知識を蓄積するとか、そういうことは二の次になり、読書は「けものみち」を歩いていく上で大切な「自分の志向性の発見」のための道具になったのである。(P122) 「けも…

『ウェブ時代5つの定理』 梅田望夫 文芸春秋 2

金言とは、その言葉の切れ味ゆえに世界の成り立ちがくっきりと浮かび上がってくるものだったり、未来の姿を想像する補助線になったりするわけですが、それ以上に、前を向いて生きる希望やエネルギーを私に与えてくれていたのだ(P10) この金言を集めが、現在…

余命1か月の花嫁

乳がんにより、24歳でこの世を去った長島千恵さんのドキュメンタリー。 生きるということ、死ぬということを明確に教えてくれました。千恵さんありがとう。 ご冥福をお祈り申し上げます。