『生きることと考えること』 森有正 講談社現代新書

ことばを本当に自分の言葉として使うということが、実はその人がほんとうに生きるということと一つになる。(P84)


一文を抜粋するだけでは、著者の思想の全容は見えないのですが、私なりに意訳すると、「ことば」は個人の経験(感じたこと)をラベリングしたものしか使ってはならない。ということだと思います。そういった「ことば」でなければ、自分の思考の道具にもなりえないし、まして他人に何かを伝えられる力は持たない。感じたことで考え、感じたことを伝えるということがそのまま生きるというと同じである。人前で話すことが多い職業なので、非常に強く共感する部分です。


生きることと考えること (講談社現代新書)

生きることと考えること (講談社現代新書)