『カラマーゾフの兄弟(上)』 ドストエフスキー 新潮文庫 2

懲罰と言っても、今この方が言われたとおり、たいていの場合ただ心をいらだたせるにすぎぬ、機会的な懲罰ではなしに、唯一の効果的な、ただ一つ、威嚇と鎮静の働きを持つ、己の良心の自覚に存する本当の懲罰のことですぞ。(P153)

職業柄の引用です。現在、学級崩壊の問題が年々拡大していっています。叱れる大人が少なくなったと言われます。
その理由のひとつは、本人の自覚という部分が強調されすぎているからなのかなと、引用箇所を読んで思いました。
保護者の中には、生徒(子供)が自分で自覚しなければ意味がないので、本人には自己責任を取らせます。という理解のあるような、親の責任を放り出しているような人も多いです。

本人が納得することは言うまでもなく重要ですが、威嚇と鎮静の重要性を見落としてしまっている感があります。


カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)