『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ 新潮文庫

そして、科学的な人は、新しい皮袋のために古い酒を忘れ、芸術的な人は、数々の皮相な誤りを平気で固守しながら、多くの人に慰めと喜びを与えてきた。それは批判と創造、科学と芸術、この両者間の昔からの、勝負にならぬ戦いだった。その戦いにおいては、常に前者が正しいのだが、それはなんびとの役にも立たなかった。これに反し、後者はたえず信仰と愛の慰めと美と不滅感の種をまきちらし、たえずよい地盤を見つけるのである。生は死よりも強く、信仰は疑いより強いから。(P50)

科学でも、文学でもノーベル賞がとれる。なんでだろう、という疑問に一定の答えを与えてくれているような気がします。



車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下 (新潮文庫)