『村上春樹、河合速雄隼雄に会いに行く』 新潮社版 2
河合:現代の一般的風潮は、「できるだけ、早い対応、多い情報の獲得、大量生産」をめざして動いています。そして、この傾向が人間のたましいに傷をつけ、その癒しを求めている人たちに対して、われわれは一般的風潮の全く逆のことをするのに意義を見出すことになるのです。(中略)それにしても一人一人のたましいを深く傷つける前述のような傾向が、個人主義を唱える欧米から生じてきたというアイロニーについてゆっくり考えてみなくてはならないと思います。個人をもっとも大切と考える生き方が、個人をもっとも深く傷つける傾向を生みだしているのです。(P152,P153)
量と速度の改善が、幸福の絶対量を保証していることは間違いないと思います。豊になっています。ですが、これらが一番大切な物とか過度に重要なものとみなす人が多いことが問題なのであって、人間関係の希薄さは、あたかもこれらに原因があるという主張はすこし違うのではないかと感じます。引用文と関係なくなりましたが、ちゃんと分けて考えてる人ってどれだけいるのかなと思ったゆえ。
- 作者: 河合隼雄,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/12/25
- メディア: 文庫
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