『考えるヒント』 小林秀雄 文春文庫2

嫌いという感情は不毛である。侮蔑のいく道は袋小路だ。いつの間にか、そんな簡明なことになった。誤解してもらいたくはないが、これは私の告白で、主張ではない。いや、いつの間にか、主張するより告白することを好むようになった。(P36)

何かを嫌いだと感じる瞬間って、すごく無駄な時間だと感じます。人生が貧しくなっていくと強く感じる瞬間ですね。誰かが、何かを嫌いだっていうのを聞くことには、自分のときほどの違和感はありませんが、やっぱりなんとなくさびしいと感じます。



新装版 考えるヒント (文春文庫)

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